離婚すると年金はどうなるのか?わかりやすく教えて!
質問:夫と離婚を考えていますが、老後の生活が少し心配です。離婚時に「年金分割」という制度があると聞いたのですが、具体的にどのような制度なのでしょうか?わかりやすく教えてください。
というご質問に今回はおこたえしていきたいと思います。
まず、公的年金からです。
公的年金は、3階建ての構造になっています。
まずは、各階の名称と特徴をご説明します。
1階は、すべての国民が基礎年金として加入する国民年金です。こちらはわかりやすいのでご存知かと思います。(お勤めをされていれば、お給料から天引きされています。会社員を離れると自分で納付手続きをすることになります。)
そして、2階部分です。2階部分は主に2種類あります。
会社員の方が加入する厚生年金(お給料から天引きされています。)
公務員の方が加入する共済年金です。(○○共済といった保険とは全く関係がありませんよ。)
ちなみに会社に雇われていない方は加入してお支払いする必要はありません。
最後に3階部分です。ここはあまり馴染みがないかと思います。
国民年金や、厚生年金に上乗せする国民年金基金や厚生年金基金があります。
年金の不足を感じた方たちが、さらに上乗せして年金積立をする部分と考えれば良いでしょう。
離婚時の年金分割制度はどうなっている?
上の3つの年金の名称、特徴を踏まえて、離婚時にどう分割されるのか、簡単にご説明いたします。
年金分割制度によって分割されるのは、
2階部分の厚生年金や共済年金です。
これを、元配偶者と分割して受けさせる仕組みとなっています。
さらに、この2階建ての部分の分け方が2種類あります。
①合意分割
②3号分割
このふたつの違いを簡単にまとめてみました。
①合意分割
合意分割とは、夫と妻が年金分割を行うことと、分割の割合について合意している場合、
離婚時に限って婚姻期間の保険料の納付記録から最大2分の1を限度として分割を請求できる制度です。
夫が結婚前に納めていた保険料の記録部分や、離婚後に納めた保険料の記録部分は、分割の対象とはなりませんのでご注意を。(簡単にいえば、結婚していた期間のみということです。)
合意は、公正証書の作成や、家庭裁判所での調停などを通して行われます。
②3号分割
3号分割とは、1方の配偶者が請求することで、相手の年金を分割する制度です。
ただし、分割できる保険料の記録は、2008年4月以降に限られています。
それ以前の部分について年金分割する場合は、合意分割の方法をとらなければなりません。
まとめ
離婚したときの年金分割制度は、厚生年金または共済年金の部分です。
分割方法は2種類ありますが、一般的に素人がほいほいできるものでもありません。
このあたりはお住まいの都道府県弁護士会法律相談センターにお電話でご相談されることを
おすすめいたします。