ちはやふる 百人一首での本当の意味とは?

KIM150922327408_TP_V 文学

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映画や漫画で話題になり、この歌だけは覚えないと、、と思った百人一首ビギナーさんはいらっしゃいませんか?実をいうと私もその一人であります。ところで、このちはやふるで始まるこの歌は実際どんな意味なのか知っていますか?歌の意味を理解し、状況を頭に思い浮かべることで断然記憶が早まりますよ。

 

今回は、このちはやふるで始まるこの歌の解説をしていきたいと思います。

ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

(ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは)

ちはやふると、点々をぬいて普段言っていますが、
実際のところ、ちはやぶる濁音がつくのが正しい読み方になります。

 

頭のちはやぶるを詳しく解説しますと、このちはやぶるという言葉は、神代も聞かずの、神にかかる枕詞です。漢字に直せば千早振ると書きます。

諸説あるのですが、ちには、神の威力を。はやには、それが大変激しいことを意味しているそうですが、特に意味はないと考えていいでしょう。

この歌は、竜田川という奈良県を流れる川の景色を描いた屏風をみて読まれた歌です。

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竜田川は、もみじの名所として知られています。竜田川に流れるもみじがこの世のものとは思えないくらい美しい色を放っている様子が屏風に描かれているのです。

その屏風を見て感動したのが作者の在原業平という男です。

在原業平は、とても美男子だったと言われており、歌を作るのがうまかったと伝えられています。業平は感情豊かな表現力が持ち味で、六歌仙のひとりです。そのため彼の歌のファンも多いです。

六歌仙とは、紀貫之が古今和歌集で批評した六人の歌人のことです。

しかし、在原業平は、感情が豊かだが、言葉が足りないと評価されています。。。
まあ、歌を詠むのがうまい美男子と覚えておきましょう。

実際現代では、この歌よりもむしろ、在原業平本人の名前の方が知られているのではないでしょうか?というのも、この在原業平は、伊勢物語のモデルとなった人物ではないか?といわれているからです。

伊勢物語は高校の古文でも必ず学ぶ物語でした。聞き覚えもあるのではないでしょうか?在原業平は、後の天皇の妻となる藤原高子の家でこのすばらしい屏風を見たといわれています。

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そうです。業平は天皇の妻になる藤原高子の元彼です。彼女の家で見た屏風がすごく綺麗だったー。

と歌にしていたのですね。

百人一首は主に冬に行われますが、この歌を通してぜひ秋の紅葉を思い浮かべてみてください。また、漫画や映画をみて百人一首をはじめてみようと思われた方もいらっしゃるかと思います。このように馴染みのある歌を楽しんでいけば苦痛なく歌を覚えることができると思いますので頑張ってくださいね。