新聞を開くと「中高年引きこもり」という記事が目に入りました。普通引きこもりといえば、若い世代を対象とするものですよね。
しかし、今回のテーマ40歳代、50歳代の方達となります。
中高年が引きこもる理由を考えた
では、いったいなぜ引きこもり現象が中高年と呼ばれる40代、50代に起きているのでしょうか?
ちなみに私も40代になったばかりです。
しかも仕事柄家に閉じこもることが多いので、中高年に引きこもりが起きやすいという現象があると聞いて、なるほどなと感じたほどでした。
新聞によれば、引きこもる世代というのは、バブルがはじけた後の就職氷河期を乗り越えて就職してきた世代のようです。
おそらく、氷河期に就職となると本人の希望と実際に就く職務のミスマッチが大量に起こっているはずです。そう。特に興味はないけどお金のため、世間体のためにしょうがなく就職。
経済的な事情や、石の上にも3年という言葉があるように、我慢して働くことが多かったのもこの世代ですよね。
リストラにあい、転職に失敗するなどして、一時的に家に引きこもっていた人たちも多いはずです。
彼らはこれまで我慢して働いてきたので、好きなことをして生きていきたいという願望は人一倍強いはずです。
その願望は形をかえ、怠惰へとつながりそのまま社会復帰できなくなってしまうのでしょう。
また今の40代はファミコンが生まれた時の世代でもあります。中高年だからゲームやパソコンはしないだろう。。ではないのです。
また若年層からそのまま引きこもっている層が年齢を重ねてきた。
これも中高年ひきこもりの数を増やした理由かと思います。
若年ニートと何が違うのか?
かくいう私も、退職した後、フリーランスとして働くつもりではいました。
しかしながら、失業保険などセーフティーネット、ましてや親の支援などがあれば楽な方に流されがちです。失業中は親も心配してお金の援助をしてくれるのです。
最終的には、仕送りや援助は自分でことわらなければなりません。親というものは、こどものことがいつまでも心配なものなのです。
これは、失業中に肌で感じました。
その後自分で稼いではいますが、もし就職もせず収入を得る術のないまま過ごした場合は、親のすねをかじり続けることとなったのは間違いないでしょう。
中高年の親世代といえば、最低でも60から70歳以上であることは間違いありません。こどもは親の貯金や年金の一部で食いつないでいるのでしょうね。
8050問題という言葉をご存知でしょうか?
これは、80歳代の親が50歳代のこどもを養うという状態を指します。
まさに中高年ひきこもりを現した文字なのです。
この中高年ひきこもりの悲劇はどのようにして起こるか?
親もいつまでも若くはありません。ある日、介護が必要になったりもします。また年齢的にも、亡くなるということも当然ながら起きてきます。
その時、ひきこもったこどもに稼ぐ手段がない場合は一転して不幸が待っているはずなのです。
国や自治体には、若年層のニート、引きこもりの支援は多いようですが、中高年に対してはほとんど支援がないというのが実情。
社会から隔離されることを選んだ彼らは、再就職の術もみつからないまま途方に暮れるという現実が迫っています。
中高年ひきこもりの解決策を考えた
若年層に職業訓練の機会が与えられるのであれば、中高年にもあって良いと思います。
また、彼らの多くは、自宅で長い時間を過ごしているため、特定の分野での知識が豊富と予想されます。
彼らに社会での活躍の場を提供するのであれば、その知識を活かした発信などを支援する、インターネットの逆利用という手段が良いのではないかと思います。
これまで受け身であった情報をネットを通して発信してもらうのです。
そこでの人間関係はごくわずか。しかも自宅でできるということでこれまでの環境を大きく変えなくても良いのです。
この発信で収入を得ることができれば、少しずつ自信を取り戻していくはずですし、外の世界とのかかわりも少しずつ増えていくのではないでしょうか?
ただし、年を重ね自信を無くしている、すでにやる気がなくなっている。このような人に勇気を与える存在が、とっかかりとしては必要かと思います。
参考文献
西日本新聞 2018年8月